キミは届かない 僕を 見上げて
何かを 伝えようとする
帰って来た 僕の足音を聞き付けて
キミは 先にドアを開けようと さわぐ
なんだか 僕の方が
キミを出迎えてるような 気がしながら
ドアをあける
キミは 小さな身体いっぱいに 嬉しさが満ちて
転がり始めた ゴムまりみたいで
だけど 抱き上げたら
黙ってしまう
きっと 安心するんだね 。
僕は それだけで
胸が一杯になるよ
生きてる意味とか 考えてしまう 最近
一日ごとに 何か
失っていくような 気がして
雨の朝とか 出かけたくなくなる 。
でも 僕の枕元で眠る キミを見てると
今日も 何とかなりそうかなって思う 。
たとえ 失い続けても 僕は きっと
キミがいれば 大丈夫な気がするから
キミが 僕にくれるものは
晴れた日も 雨の夜も
ちっとも 変わらない
無邪気な やさしさや 切ない いかり
きっと ひとりで待つキミは
この世界で 一人きりの 僕のことを待っていてくれてる
だから やっぱり 僕もキミを
出迎えてる 。 ひとつのドア
お互いに 両側から 開けようとして